fly with the wind


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osamu's rc flight

トリム X500
Trim X500

X500

モデル名

トリムX500 Trim X500

製造会社/販売会社

ARK/ Trim Corporation

操縦系統

エルロン、エレベーター、ラダー、モーターコントロール、ピッチ

ローター径

900mm

機長

820mm

飛行重量 (g)

1220g
(機体: 985.5g、Outrage XP25 3S3000: 233.5g)

動力ユニット

TR-5160アウトランナーブラシレスモーター、ピニオン14T
TR 50Aアンプ
TR 400mm木製ブレード
Outrage XP25 3S2500、 3S3000、Thunder Power Xtreme 3S2600

RC装置
TR-168サーボ×3(スワッシュ)
HiTec HSG-5084MG(ラダー)
フタバGY240→GyroBot 900ジャイロ
SANWA 92674受信機(2.4GHz)

X500

1.概 要
2.組 立
3.調 整
4.テストホバ(1)
5.テストホバ(2)
6.キャビンの塗装
7.GyroBot 900搭載
8.その後のフライト


1.概 要

 可変ピッチ、500クラスの電動ヘリコプター。400mmのメインローターを使用します。発売元のトリムコーポレーションさんによりますと、ARK TAIWANのX-500をベースに、初心者向けに安定性を高めたとのことです。このクラスとしては非常に軽量なことも大きな特徴で、軽い→必要パワーが少ない→消費電流が少ない→容量の少ないバッテリーでフライトできる、経済的ということになります。もちろん、軽量化すれば強度面では不利になりますが、軽い方がクラッシュ時のダメージも小さくなるものです。この機体は、上空飛行とロールやループなどの軽度のスタントを楽しむ機体のようです。

 筆者が購入したのはモーター、アンプ、スワッシュサーボ3個が付属する半完成キットで、ローターヘッド、テール、シャーシは組立済みです。2009年11月上旬、RCチャンプ秋葉原店で購入しました。

 なお、トリムさんからは、半完成キットとモーターのみのセット、ホバリング調整済みフルセットも発売されています。

2.組み立て

 組立済みのヘッド、テールパイプ、スキッドをシャーシに取り付け、水平尾翼、垂直尾翼、テールブレースを取り付け、キャノピーとキャビンをカットして取り付ければ機体は完成です。

 次に付属のスワッシュサーボとテールサーボ、受信機、ジャイロ、アンプを取り付けます。詳細な組立説明書がついています。モーターとアンプの接続コネクタは取り付け済み、アンプのバッテリー側は3.5mmゴールドコネクターが取り付けられていましたが、筆者は手持ちのバッテリーが4mmコネクタのため、アンプのコネクタを交換しました。

 受信機は2.4GHzで2本のアンテナが出ています。取り扱い説明書によりますと、アンテナは90度になるように配置する必要があります。しばらく考えましたが、1本をスキッドに前後方向で取り付け、もう1本はシャーシ後部に左右方向に取り付けました。いずれも、ノイズレスパイプに通しています。

X500X500

3.調 整

 取り扱い説明書にしたがって標準的な設定にしました。ピッチはスワッシュの上下動を約8mmとし、−2〜+10度としました。エルロン、エレベーターの動作量は特に記載がありませんので、とりあえずD/R100%、EXPO30%とします。スロットルカーブも説明書の値に設定します。筆者はホバと上空飛行までのレベルですので、フライトモードはノーマルのみ、アイドルアップの設定はしません。送信機はサンワのSD-10G。このプロポでは、あらかじめ機能を割り当てないとスイッチやレバーは機能しません。このため、自分のフライトに必要なスイッチだけ設定でき、不用意に他のスイッチやレバーが動くことによるトラブルを避けることができます。

 ラダーニュートラルについては、テールピッチコントロールの位置が4mmと指定されています。わずかにプラスのピッチとなる位置で、この位置が指定されていることでテール調整が楽になります。

4.テストホバ (1)

 2009年11月中旬、テストホバを行いました。バッテリーはアウトレージXP25-3S3000です。重心はほぼメインマストの位置にきます。

 スプールアップしていくと、機体がクルクル反時計方向に回転してしまいました。ジャイロの動作方向が逆です。REVにして再度、スプールアップします。今度はスッと浮上しました。非常に安定していて、ジャイロ感度を75%に設定したラダーはしっかり止まっています。エルロン、エレベーターのトリムも必要ありません。D/R90%、EXPO30%にしましたが、やや小舵が効かない感じなので、EXPOはもう少し小さくしてもよさそうです。ウェストレベルのホバを3〜4分で終了しました。

5.テストホバ (2)

 2009年11月中旬、河川敷でホバしました。平均3.5m/s、最大瞬間5.5m/sの北東風です。まず、ベテランのTさんにホバしていただき、エレベータートリムを2コマダウンにし、エルロン、エレベーターのEXPOを15%に減らしました。その後、2パックホバしました。ときおり突風によって持ち上げられたり、押さえられたりしますので、早め早めのエンコン操作が必要ですが、非常に安定してホバできました。屋外入門用としては、450ヘリよりも飛ばしやすいと思います。2500mAhパックと3000mAhパックを使ってみました。念のため、タイマーを使って6分30秒でホバを終了しましたが、フライト後のリポの電圧から、2500mAhパックでは7分、3000mAhパックでは8分のフライトができそうです。

6.キャビンの塗装

 本機のキャビンは、キャノピー部分を切り取って、スモークキャノピーを取り付けるようになっています。このタイプのキャノピーは、視認性はよいのですが、逆光時に太陽光が反射すると機体全体が見えにくくなることがあるので、キャノピー部を切り取らずに赤で塗装することにしました。

 キャビンの材質はX400/MX400と同じで、ポリエチレンかポリプロピレンの一種のようです。この材質は柔軟性はあるのですが塗料の食いつきが悪く、MX400のときは苦労しました。今回、試しに#320の耐水ペーパーをかけた後、キャノピー部をマスキングして一般家庭用の水性ウレタン塗料を塗り24時間放置しておいたのですが、マスキングテープを剥がしたら塗膜もはがれてしまいました。塗料がやわらかいフィルム状になっていて、まったく食いついていません。

 ネットで調べたところ、ポリエチレンやポリプロピレンに塗装する場合は、まず下地としてプライマーを塗布する必要があることがわかりました。そこで高島平模型さんで相談したところ、JRのPEプライマー(No.60239、缶スプレー)を紹介していただきましたので、使用してみることにしました。

 まず、キャビン表面を台所用洗剤でよく洗い、水気を切り、しばらく乾かします。次にキャノピー部の周囲をマスキングテープで覆い、ナイフでカットし、周囲を新聞チラシのツヤ紙で覆います。キャビン内側にエアキャップを詰めて、50cmのアクリル定規を差し込み、マスキングテープで固定して持ち手にします。この定規を左手で持ち、回転させながらプライマーを吹きつけます。このプライマーは無色透明です。軽く全体に吹いたら定規を固定してしばらく30分ほど乾燥させます。これを3回繰り返しました。

 1時間ほど乾燥させた後、タミヤカラーミニ(ラッカー系)のイタリアンレッドを3回吹きつけ、一晩、乾燥させ、最後にタミヤカラーミニのクリアを軽く3回吹きつけました。

7.GyroBot 900搭載

GyroBot900

 2009年11月末、ワールドエアモデルさんのウェブで、3軸ジャイロ GyroBot 900(独LF-Technik社)を搭載したヘリの手放しホバと、手放し背面ホバの動画を見て、ショックを受けました。早速、購入し、本機に搭載しました。搭載までは順調に行きましたが、設定は大変で、3時間ほど、マニュアルを見ながら、悪戦苦闘しました。なお、筆者は専用のCockpit プログラムボックスを使いましたが、USBインタフェースケーブル経由で、Windowsパソコンで設定することもできます。

 2009年12月上旬、ビギナーモードでテストホバを行いました。正しく設定できたのかどうか不安がありましたが、機体はあっけなく浮上し、安定したホバができました。手放しホバまではできませんでしたが、安定性はXRB-SR並みで、細かい修正舵を当てる必要ははほとんどありません。離陸から着陸まで、機体はピタッと水平を維持しました。

 ビギナーモードでは、エレベーター方向とエルロン方向に機体が傾くと、GyroBot 900が自動的にスワッシュプレートを反対方向に傾斜させて水平状態にもどします。

関連ページ:3軸ジャイロ:GyroBot 900

8.その後のフライト

8.1. 調整フライト (1)

 2009年12月上旬、あまり風がない日に河川敷でS田さんに調整フライトをお願いしました。2パックフライトしていただき、スロットルカーブとピッチカーブをやや上げた方がよい、とのアドバイスを受けました。取説の設定は、初心者向けのおとなしめの設定のようで、風のあるときに上空を走らせるときには、もう少しパワーをかけた方がかえって操縦しやすいようです。GyroBotの効果も確認していただきましたが、ラダーの止まりがややにぶい、とのことでした。少しずつ設定を詰めていくことにします。

8.2. アイドルアップ設定

 2010年2月下旬、Reflex、HELI-Xで、ようやく背面対面ホバができるようになったので、そろそろ実際にチャレンジしてみようという気持ちになってきました。苦節2年です。

 そこでまず、メインローターブレードをアラインの425mmカーボンブレード(H50069)に交換し、ノーマルモードでフライトしてみました。キット付属の木製ブレードに比べて回転音が澄んでいる感じで、静かに感じます。ただ、しばらくホバしているとミソスリが出ました。プロポ側でホバリング付近のスロットル・カーブを少し持ち上げ、回転数を高めたところ、ミソスリは消えました。

 また、アイドルアップを設定するためにピッチをチェックしました。プラス側は+10°取れますが、マイナス側は−6°しか取れません。スワッシュとミキシングレバーを接続するリンケージロッドを短くし、プロポ側のATVを150%まで増やして、なんとか−10°まで取れるようになりました。再度、GyroBot900の設定を行いました。

 スロットルカーブは100%横一直線にしてみました。


関連リンク:

・トリムコーポレーション新製品情報9:X500
・チャンプ
・三和電子:SD-10G
・ワールドエアモデル:GyroBot 900

2010.02.25



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