fly with the wind


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osamu's rc flight

S.R.B クオークSG
SRB Quark SG

SRB Quark SG

モデル名

S.R.B クオークSG

製造/販売

ヒロボー

操縦系統

エルロン、エレベーター、ラダー、ピッチ、モーターコントロール

ローター径

373mm

機 長

361mm

飛行重量

204 g

動力ユニット

ブラシレスアウトランナーメインモーター、テールモーター
3S480mAhリチウムポリマーバッテリー

RC装置

SRB制御ユニット(受信機、ジャイロ、ESC一体モジュール)
SRBサーボ×3(120°CCPM)

プロモーションビデオ

1.概 要
2.組み立て
3.設定・調整・テストホバ
4.ピッチを測る
5.受信モード4を使う
6.テールの横ゆれ
7.屋外フライト
8.マイナスピッチを増やす


1.概 要

 可変ピッチ、シングルローターの電動RCヘリです。メーカーによりますと飛行時間は約10分、風速5m/sまでの屋外での飛行が可能とのことです。可変ピッチとなったことで前進飛行が容易となり、また操縦技量があればロール、ループ、背面ホバも可能です。

 メインブブレードとテールブレードは発泡スチロール製、スタビライザーは柔軟性のある合成ゴム製で安全性に配慮されています。一体型テールブレードはSRBクオーク用と共通です。テールローターは固定ピッチで回転数によって制御されます。

 メインモーターとテールモーターはいずれもアウトランナータイプのブラシレスモーターで高効率が期待されます。ジャイロはセンサー部分が独立しています。

 組み立てキットには、機体パーツ、リポバッテリー、充電器、ACアダプター、予備メインブレード4セット、予備テールブレード4セット、ブレードバランサー、プラスドライバー、0.89mm六角レンチ、1.5mm六角レンチ、デカール、取扱説明書、ユーザー登録カードが含まれます。受信機用クリスタルは別売です。

・SRBクオークとの主な相違点:

SRBクオーク

SRBクオークSG

ピッチ制御:

固定ピッチ

可変ピッチ
120°CCPM

テールモーター:

コアレス
シャフトドライブ

アウトランナーブラシレス
ダイレクトドライブ

ジャイロ:

制御ユニット内蔵

センサー部独立

バッテリー:

2セル
7.4V480mAh

3セル
11.1V480mAh

2.組み立て

 2010年4月上旬、チャンプ秋葉原店で組立キットを購入しました。72MHz、クリスタルは50バンドです。久しぶりの組立キットです。購入当日、夕食後に組み立て開始。キットの各パーツやネジ類はわかりやすくパックされ、説明書も豊富なイラストによってわかりやすく、楽しく組み立てることができます。ほとんどの箇所はプラパーツにセルフタップネジを取り付けるため、組み立ては容易です。

 ただ、ネジ類や一部のパーツが小さく、細いので、ちょっと神経を使います。また、ボールやネジをうっかり落とすと、机の表面でバウンドして飛んでしまい、探すのに苦労するので、布を敷いて作業します。筆者は、メガネ拭きの布の大きめのものを敷いて組み立てました。

 この日は「5.サーボホーンの組立とサブトリムの調整」(取説17ページ)まで進みました。この方法が動画で説明されています。120°CCPMのヘリの場合、このサーボのニュートラル出しは非常に重要ですので、ていねいに作業します。ここでできるだけ正確にニュートラルを出し、リンケージロッドの長さを正確に調整すれば、初フライトでトリム修正なしで安定したホバができます。

 翌日は休日。朝から組み立て再開。昼前には完成しました。なお、ヒロボーさんは組み立て時間を約4時間としています。

 特に説明書に指定はないのですが、念のため、下記のネジには低強度ネジロックを塗布しました。

 メインブレードは片側にセロテープを4cmほど貼ってバランスが取れました。

3.設定・調整・テストホバ

 昼食で一息入れた後、メカの設定に入ります。まず、機体側の設定。SRB制御ユニットのディップスイッチで送信機メーカーをJRに設定します。次に受信モードを2に設定します。このモードではスワッシュ・ミキシング、ピッチカーブ、スロットルカーブ、ジャイロ感度調整は受信ユニット側で行います。

 次に送信機(JR PCM9X)の設定です。システム設定モードでモジュレーションを「PPM」に、モデルタイプを「Heli」に、スワッシュタイプを「1 servo」に設定します。モデルネームは「Quark-SG」にしました。

 充電したバッテリーを機体に取り付けます。バッテリーホルダーのツメは「パチン」と音がするまで指できちんと押さえる必要があります。バッテリーコネクタをカチッと音がするまで制御ユニットに差し込み、送信機→制御ユニットの順に電源を入れます。エルロンスティックとエレベータースティックを動かしてスワッシュの動作方向を確認します。OKです。

 ここでトラッキングを見ます。スキッドを手で持ち、電源スイッチを押します。エンコンスティックが最スローになっていることを確認し、スタートスイッチを押します。

 エンコンスティックをゆっくり上げるとローターが回転を始めます。エンコンスティックを50〜60%にし、ローター回転面を横から見て、ブレードのトラッキングを見ます。ズレはありません。

 いよいよホバリングです。リビングの中央に機体を置き、送信機の電源を入れてから機体の電源スイッチを押します。数秒でランプが点滅から点灯に変わり、ジャイロが位置を検出します。スタートスイッチを押します。エンコンスティックを少しずつ上げていくと、機体はホバリングに入りました。ローター回転数が高いため、狭い室内では自分のローターの吹き下ろしの影響を受けて上下がやや安定しませんが、エルロン、エレベーター、ラダーは固定ピッチの室内ヘリ並みに安定しています。

4.ピッチを測る

 本機はスタビがメインローターに対して45度になっているため、通常のピッチゲージではピッチがうまく測定できません。

 ヒロボーさんは秤で推力を計測してピッチを調整するように、とアナウンスされています。

・家庭用はかり(計量器)を利用したブレード揚力測定の手順

 手持ちのデジタル秤で計測した結果、アイドルアップのプラスピッチで−350g、マイナスピッチで+200gでした。プラスピッチでの推力が上記ページ指定の380〜400gよりもちょっと少ないですが、とりあえずはホバできるので、このままにしておくことにしました。

 それでも実際のピッチがどれくらいなのか気になるので、以下のようにして測定してみました。誤差が大きいと思いますが、おおよその目安にはなると思います。

(1)メインブレードをグリップに対して90度の角度にする(下写真)。

(2)スタビバーを水平にして、エンコンスティックを最スローにしてブレード先端の位置を測る。

(3)スタビバーを手で保持して、エンコンスティックフルハイにし、ブレード先端の位置を測る。

 このようにして測ってみた結果、ノーマルで上25mm、下5mm、アイドルアップで上25mm、下15mmとなりました。ブレードのボルト取り付け穴から先端までの長さは160mmですので、エクセルの計算式

=DEGREES(ASIN(A1/160))

 のA1に上記の測定値を入力すると角度が求まります。結果は、

   ノーマル:−1.8°〜+9.0°
アイドルアップ:−5.4°〜+9.0°

 となります。

 マイナスピッチがやや少ない感じですが、サーボからスワッシュへのロッドを調節して全体を下げてノーマルピッチを−3.6°〜+7.2°にすると、ホバリングピッチが不足する感じです。

 なお、この方式では、ブレード端の動きが5mmで約1.8°(のはず)です。

動作量
(mm)
ピッチ
(度)
5
1.8
10
3.6
15
5.4
20
7.2
25
9.0
30
10.8
35
12.6

5.受信モード4を使う

 受信モード2ではピッチカーブの調整ができず、スロットルカーブも中央付近を上げ下げするだけです。そこで、プロポ側で各種設定ができる受信モード4を使用してみることにしました。使用するプロポはJR PCM9Xです。

 主要な各社プロポ用の設定データが、ヒロボーさんのサイトからダウンロードできます。

・SRB Quark SG DATA SHEET

 筆者はJR PCM 9X IIのデータシートを参考にして設定しました。

(1) 制御ユニットのDIPスイッチ4、5、6をOFF、ON、ONにします。

(2) PCM9Xではch.7がジャイロ感度切り替えですので、説明書の63ページにしたがって制御ユニット側のジャイロ感度調整チャンネルを切り替えます(工場出荷時はch.5に設定されています)。

(3) PCM-9Xのシステム設定モードに入り、「Type SEL」で「HELI」、「SWASH TYPE」で「3S120°」を選択します。

(4) ファンクションモードに入り、「REV.SW」でサーボリバースを設定します(N=Normal、R=Reversです)。※PCM9X II用データシートとは異なります。

THR

AIL

ELE

RUD

GER

PIT

AX2

AX3

AX4

N

R

R

N

N

N

N

N

N

(5) 「Swash MIX」でCCPMのミキシングを設定します。※PCM9X II用データシートとはプラス・マイナスが逆です。

AILE

−65%

ELEV

−65%

PIT.

 82%

(6) 「THRO CURV」でスロットルカーブを設定します。ST-1、ST-2には、データシートのST-2のデータを入力しました。

L

1

2

3

4

5

H

NORMAL

0.0

50.0

55.0

58.5

64

72

100

ST-1/2

100

85.0

83.0

85.0

INH

INH

100

(7) 「PIT. CURV」でピッチカーブを設定します。ST-1、ST-2には、データシートのST-2のデータを入力しました。

L

1

2

3

4

5

H

NORMAL

35.0

INH

74.0

87.0

95.0

98.0

100

ST-1/2

0.0

INH

INH

50.0

INH

INH

100

(8) 「GYRO SENS」でジャイロ感度を設定します。

Pos.0

100%

Pos.1

100%

Pos.2

100%

(9) エルロン、エレベーター、ラダーのD/Rは100%、EXPは0にします。

 以上の設定でホバしてみたところ、受信モード2のときよりも安定してホバできました。

6.テールの横ゆれ

 当初からホバリング中、回転を上げるとテールが左右にわずかにゆれる症状が出ていました。ピッチカーブ、スロットルカーブを調整していくうちに、この症状が顕著になってきました。ジャイロ感度が高すぎることによるハンチングかと思い、感度を下げてみましたが、改善されません。アンプの息つき、ノイズのような感じもします。

 しばらくあれこれ調整しましたが、どうやらメインブレードのドラッグボルトの締めつけが強すぎたことが原因だったようです。メインブレードは軽く動く方がよく、機体を横にしたときにブレードが自重でたれさがるかたれさがらないか、ギリギリぐらいが適切なようです。また、左右のボルトの締め具合をなるべく均等にした方がよいようです。

7.屋外フライト

 2010年4月中旬、風が比較的弱い日に、屋外で3フライトしました。1フライト目はほとんど無風でしたが、2フライト以降はおよそ2m/sの風が吹きました。少しでも風があると、小さく軽い機体は影響を受けるため、細いコントロールが必要ですが、本機は基本的に安定性が高いので、それほど神経を使わずにホバできます。上空飛行でダウンを打っても、それほど加速せず、機体がじゅうぶん視認できる範囲で走らせることができます。

 2フライト目を、3Dヘリフライヤーの、みのかさごさんに撮影していただきました。アイドルアップでフリップを試みましたが、うまくできませんでした。マイナスピッチが足りない感じです。

8.マイナスピッチを増やす

 機体をひっくり返してスキッドを手で持ち、アイドルアップのマイナスピッチでの推力をチェックしてみたところ、やはりちょっと推力が足りない感じです。そこでミキシングアームのピボット位置とボール位置を、取説の12ページ右下に示されている「上級者向けの穴位置」に変更し、SWASH MIXを82%から90%にしたところ、上述の筆者のピッチ計測方法で+10.8°、−9.0°が取れるようになりました。これに関連して、アイドルアップでのスロットルカーブを100-INH-INH-INH-90-INH-INH-INH-100に変更しました。

 この状態で、再び機体をひっくり返してローターを回してみたところ、マイナスピッチで十分な推力が得られるようになりました。次回はこの状態でフリップを試みてみたいと思います。


・ヒロボー

・SRBクオークSG@ORC

last updated: 2010.06.23



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