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osamu's RC flight
エッセイ
風を見ながら

10.ラジコンヨットは微風〜弱風がおもしろい

 2015年7月から、ラジコンヨットを走らせるようになった。

 グライダーと同じく、ヨットも風を利用して帆走する。風は日によって微風から強風までさまざま。およそ半年、帆走させてみて、ラジコンヨットは微風〜弱風時がおもしろい、と思うようになった。特に微風時に、わずかにヒールしながら、水面に航跡を残してすべるように帆走するラジコンヨットを見ていると、どこか穏やかな気分になる。

 この気分、言葉で表現するのはむずかしいので、動画をご紹介する。

 まず、筆者がラジコンヨットを始めるきっかけになったシーン。2015年6月に、いつもグライダーやヘリを飛ばしている水門付近の水路(放水路)で、T田さんのシーブリーズ(京商)をS田さんが帆走した時のもの。セールのなめらかなカーブが印象的だった。

 艇長1mのラガッツァ。2015年10月上旬に彩湖で初帆走した時の動画。カメラを左手に持ち、右手でラダーとセールを操作しながら撮影した。このヨットはかなり重いので、停止すると動き始めるまで時間がかかるが、いったん風をつかめば小型艇よりもセールの効率がよく、微風でも気持ちよく帆走してくれる。微風時には軽量の小型艇がよく走りそうに思えるが、実際には逆で、大きなヨットほど微風で走る。おそらく、水面付近は風が弱く、水面から50cm〜1m以上の高さになると一様な風が吹くからではないかと思う。また大きいヨットは遠くまで出しても視認できるので、広い範囲を帆走できる。

 艇長460mmの小型艇、ウエストウォード。最初はなかなか思うように走らなかったが、ビームの補強、ブームバングの交換など、改造と調整を繰り返して、なんとか帆走が楽しめるヨットになった。これくらいの小型艇は、むしろ中風時に本領を発揮する。マストが低いために、水面付近の低速の風だけを利用できるので、意外と風には強い。

 最近、彩湖ラジコンヨットレースでも大人気のドラゴンフォース、艇長650mm。このヨットも、微風〜弱風時には優雅に帆走してくれる。

 グラウプナー社のロングセラー、マイクロマジック。艇長535mm。微風時には優雅に帆走を楽しめる。

 ということで、ラジコンヨットは同じラジコンでも、グライダーやヘリとは別世界。ポイントは、グライダーと同じく風の読み。このエッセイのタイトル「風を見ながら」は、もともとグライダーを意識したものだったが、ヨットにもあてはまる。

 そして、グライダーと同様、ヨットも調整や設定がむずかしい。帆走時のセールの形状、ツイスト、バックステイ・テンション等々、微妙な調整の違いで帆走性能がまったく変わってしまう。そしてセールの出し入れとラダー操作も状況に応じて変化するので、なかなか思うように走ってくれない。そこがまた、奥が深くておもしろい、ともいえる。

Ragazza Ragazza

Ragazza Ragazza

 ところで、微風時の帆走にはリスクもある。風が完全になくなると、ヨットは立ち往生してしまう。そのため、当初は回収用に電動ラジコンボートを用意していた。しかし、実際には風が凪いでも、5〜10分、長くても30分ほど待てばまた微風が吹き、手元にもどせることがわかった。下の写真はRCレーザー(艇長1m)を走らせた時のもの。一時、ほとんど風がなくなって、ヨットは停止してしまったが、しばらくすると微風が吹き、再び走らせることができるようになった。

RC Laser

 ヨットを走らせるようになって、気がついたことがある。それは湖面の風向、風速と波の関係。ほとんど波がない状態から、さざ波、そしてラジコンヨットにとってはけっこうな大波まであるのだが、微風から弱風時には波の伝播方向が一定ではなく、しばしば方向の異る波がクロスすることもある。これは、そこに吹く風が一様ではないことを示している。微風時には、波の状態をよく見て、さざ波の水域に到達できれば、ヨットは軽快に帆走するようになる。

 また微風時には帰投もむずかしくなる。岸辺の近くは風が弱くなりがちだからだ。目の前4〜5メートルまで来ていても、そこから接岸させるまで数分から5分以上かかることさえある。しかし、これがまたおもしろく、最後にラダーとセールをうまく操作して、岸に静かに横付けできたときは、うれしくなる。

2016.02.06
last updated: 2017.01.05

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