fly with the wind


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osamu's rc flight

MX400 Pro

MX400 Pro

モデル名

MX400 Pro EP ARF

製造/販売

ARK/ HeliMax

操縦系統

エルロン、エレベーター、ラダー、モーターコントロール、ピッチ

ローター径

588 mm

機長

630 mm

飛行重量 (g)

736 g
(P1919-06M, Hyperion LiteStorm VX 3S2000搭載時)

動力ユニット

(現在の仕様)
Hyperion P1919-06M-23アウトランナーブラシレスモーター、ピニオン12T
Kontronik Jazz 40-6-18アンプ
Thunder Power 3S2070
275mmカーボンブレード(アストロホビー)

RC装置 (現在の仕様)
Futaba S3107サーボ×2(エルロン、エレベーター)
Futaba S3103サーボ×2(ラダー、ピッチ)
Futaba GY240ジャイロ
JR R770S受信機

目 次 

※このページ内のアンカーへのリンクです

1.キット概要
2.メカとモーター/アンプ
3.組み立て・調整
4.ガバナーを使ってみる
5.X400/MX400のバージョン

6.MX400 Pro vs T-REX 450XL (HDE)
7.関連リンク


1.キット概要

 400クラス電動RCヘリコプター。台湾ARK社のX400シリーズのUSバージョン(HeliMaxブランド)です。2007年1月、 Tower Hobbiesから購入しました。

 機体はほぼ完成状態で、水平尾翼の取り付け、テールブームサポートの取り付けとメカ積みで完成します。

 Proキットは6極2580KVのブラシレスモーターHMBX1001(2.3mmシャフト)と25Aアンプが付属し(いずれも HeliMaxブランドのシー ルが貼られていますが、ARK-125、ARK-122同等品と思われます)ドーム、センターハブ、シーソー、スワッシュ、水平尾翼マウント、テールユニットケースがアルミ製にアップグレードされ、リンケージロッドは両端がボールリンク仕様になっています。

 今回は他にアルミ製ジャイロマウント、アルミ・テールローターグリップ、アルミ・テールピッチプレート、クラッシュキット2種を別途購入しました。

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2.メカとモーター/アンプ

 HeliMaxではFutabaのS3107サーボを推奨していますので、エルロン、エレベーター、ピッチ用にS3107を3個、ラダーサーボ用にS3103を1個、キットとともにTower Hobbiesに注文しました。ジャイロはGY240が推奨されていますが、これは国内の方が安価なので秋葉原で調達しました。受信機は安定性・信頼性を重視してPCMのR770S、これも秋葉原調達です。

 モーターとアンプには迷いましたが、とりあえずモーターはキット付属のものを使用し、アンプはKontronik Jazz 40-8-16をTower Hobbiesから購入しました。Jazzを選んだのは、以前に電動グライダーでKontronikのアンプをいくつか使ってその性能がよかったこと、BECに余裕があること、また将来ガバナーモードを使ってみたかったからです。

 2007年2月、屋外で7分ホバした後に温度を測定してみると、モーターは50〜60度、室温20度の屋内(体育館)で7分ホバした後は約85度です。東京の2月でこの温度ですから、夏場はちょっと心配です。アンプは25〜30度前後、バッテリーは30〜35度で問題なさそうです。ホバリング時の電流は測定していませんが、ベンチに固定して測定したデータからすると14〜16Aと思われます。

 2007年3月、モーターにアライン製のヒートシンク(K10175TA Motor cooler plate)を取り付けてみました。室温20度の屋内で7分ホバした後のモーターの温度は約75度で、多少は冷却効果があるようです。

 このように純正モーターは発熱が大きいので、気温が高くなる5〜7月には飛行させませんでした。ピニオンを小さくすることも考えましたが、アウトランナーが使ってみたくなり、2007年7月下旬、ハイペリオンP1919-06M-23に換装しました(エアクラフトより購入)。ピニオンは12Tです。気温30度の屋外で7分30秒飛行した後のモーターの温度は48度です。ガバナーで回転数は2100RPM、ピッチ操作に対する追随性も、ホバリングと上空飛行をする限りでは問題ありません。

 2007年8月中旬、記録的猛暑が続きます。午前中、気温33度の炎天下で7分30秒飛行させた直後のモーター温度は50度でした。これなら大丈夫のようです。しかしこの気温では人間の方がオーバーヒートしそうで、2フライトしたところで帰宅しました。

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3.組み立て・調整

・ビスの緩み

 この機体は完成機ですがビスが非常に多いので、各部のビスに緩みがないかどうか、初飛行前と数フライト後に念のためチェックしておいたほうがよいでしょう。筆者の入手した機体の場合、ホバリング練習を3パック行った後、シーソーアームをシーソーに取り付けるビスが1本緩み、またテールユニットケース後端のビスが緩んでいました。いずれも低強度ネジロックPermatex Low Strength Threadlocker Purpleを塗布して締め直しました。またテールユニットケースの他のビスも念のためすべてネジロックを塗布して締め直しました。

 2007年9月上旬、105フライト目に、上空飛行の後ホバリングしたところ、周期的に垂直尾翼の下端が振動しているのがはっきり見え、またエレベーター方向にテールがガクガク上下する状態となりました。トラッキングも合いません。各部を点検したところ、ウォッシュアウト・コントロール・アームをスライドブロックに取り付けているビスが緩んでガタが出ていました。このビスを締めてガタを少なくしたところ、前述の症状はなくなりました。

・テールケースユニットの取り付け

 アルミ製テールケースユニットは、テールパイプに対してビスをかなり強く締め付けてもしばらくすると回転してずれてしまいます(テールパイプ終端には穴が空いていますが、テールケースにはダボがありません)。テープをパイプに巻くと、こんどはケースに入りません。そこでテールケースユニット右側面に穴を開け、3mmタップでネジを切ってビスで固定するようにしました。ただ手元に短いビスがなかったため、ベルトに接触しないようにナットをひとつかませてパイプ内部に入り込む部分を短くし、ネジロックを塗布して取り付けました。

・スワッシュの動作

 エルロン、エレベーター、ピッチ動作に対して、スワッシュと関連するパーツが抵抗なく動くように調整します。これはサーボ側リンケージを手で動作させてチェックします。言葉では表現しづらいですが、ガタがなく、軽くスルスルとなめらかに動くことが重要です。

 筆者の機体では当初スワッシュの動きが渋く、特にピッチとエレベーターの動きが硬い(渋い)感じがしました。そこでリンクを外してあちこち動かしてみたところ、ラジアスアームステイ(Anti-Rotation Guide)とスワッシュ側のボールラジアスピン(Anti-Rotation Pin)のはめ合わせが渋くなっていました。ラジアスアームステイを取り外し、スリットを棒ヤスリで少しずつ削り、ボールラジアスピンがなめらかに上下するように調整しました。

 またボールリンクの動きを1個ずつチェックし、渋い場合はボールエンドリーマー(コーセーK-9058)を使ってボールエンドの内側を削り、なめらかに動くように調整しました。

 2008年6月上旬、エレベーターコントロールアームを金属製に交換しました。エレベーターの細かい舵の効きがよくなったように感じます。

・クラッシュ後のトラッキング

 3〜4m/sの風の中でホバリングしていたときに突風にあおられ、高度5メートルから落としてクラッシュしました。メインローターグリップのひとつが壊れ、メインブレード、スキッドブレース、テールパイプなども壊れました。パーツを交換した後、メインローターのトラッキング調整をしましたが、合いません。どうやっても2cmほどずれてしまいます。

 しばらく原因がわかりませんでしたが、The Electric Helicopter Beginner's Guide v17に 「トラッキングが合わない場合はスピンドルシャフト(フェザリングシャフト)が曲がっている可能性がある」(26.6.5)と書いてあったので、ヘッドを分解してスピンドルシャフトを取り出してみました。目で見ただけではほとんどわかりませんが、平らな板の上でころがしてみるとややぎこちない転がり方をします。念のため新品に交換したところ、リンケージロッドの微調整でトラッキングが合うようになりましたので、やはりスピンドルシャフトがクラッシュの際にわずかに曲がっていたようです(追記:スピンドルシャフトが曲がっているとトラッキングが合わない現象は「これからラジコンヘリに入門される方へ」にも記載されています)。

・アルミ製メインローターグリップ

 2007年3月、メインローターグリップをオプションのアルミ製に交換しました。樹脂製グリップとは寸法が微妙に異なるようで、ピッチとトラッキングは再調整が必要でした。ホバリングしてみると、ローターがなめらかに回る感じがし、音もちょっと変わったような気がします。エルロンとエレベーターの効きは以前と変わりません。

・テールケース・ベアリング

 2007年7月下旬、テールケースのベアリング(左、テールローター側)が1個壊れました。78フライト目でした。飛行開始時にラダーが効かなくなり、機体が高速ピルエットを始めたのですぐにモーターを停止させたため、他にダメージはありませんでした。左右とも交換しましたが、2007年10月上旬、交換から54フライト目で再びベアリング(今回は左)が壊れました。この直前、飛行中に変な音がするような気がしたのですが、ベアリングが壊れる前兆だったようです。幸い、上空フライトを終えて地上約1mでホバリングしているときだったため、他にダメージはありませんでした。

 このベアリングはフランジ付のもので、メタル・テールケース専用です。ゴミが入りやすい構造なので、飛行条件によっては摩耗が早く進行するのかもしれませんが、飛行毎に点検が必要です。また上述のように異音がするようになったら交換する、あるいは50フライトで交換するべきでしょう。

・テールシャフトとプーリー

 2008年6月上旬、アイレベルでホバリング中に機体がゆっくりラダー方向に回転し始め、ラダーを右一杯に打っても止まりません。風に流されだしたので、その場に緊急着陸させました。下は草地でしたが、モーターを止めるのに手間取ったため、メインローターが草にからまり、スタビバーが曲がり、ピッチサーボがギヤ欠けしてしまいました。

 このトラブルの原因はなかなかわかりませんでした。あれこれチェックしましたが、異常は見あたりません。もしかしてベルトが滑っているのではないかと思い、テールローターを左手で固定して、メインローターを右手で回してみたところ、なんとテールプーリーがテールシャフトに対して滑っていました。やや抵抗があるので、普通にモーターを回すとテールローターも回転し、ピッチも変わるのですが、実際の飛行では十分な回転が得られず、ラダーが効かなくなったようです。早速、テールシャフトとプーリーを交換したところ、正常に飛行するようになりました。ピッチサーボはフタバS3103に交換しました。

・キャノピー

 付属の白色樹脂製キャノピーはT-Rexのキャノピーよりも厚手で、かなり柔軟性があり、耐衝撃性があります。しかし素材が柔らかいのでバッテリーが当たる部分を切り取る際には最初手こずりました。よく切れるデザインナイフを用いて、素材が逃げない方向に刃を使って少しずつ削るのがよいようです。窓部分は#240のペーパーをかけてから水性アクリル(プラカラー)で筆塗りしました。しばらくすると一部剥げてしまいましたが、筆でタッチアップしたところ、その後は剥がれなくなりました。

・カーボンブレード

 2007年9月中旬、上空飛行にもだいぶ慣れてきましたが、緩降下させて機速が増すとメインローターが「ババババッ」とバフェッティングを起こします。純正のローターブレードは木製で、白色フィルムが巻いてありますが、剛性はあまりなく、手でひねると簡単にねじれます。そこで275mmカーボンブレード(アストロホビーEP400用)に換装してみました。このブレードは純正木製ブレードに比べるとはるかに剛性が高く、手でひねってもほとんどねじれません。飛行させてみるとバフェッティングがはるかに少なくなり、またピッチのコントロール性がよくなったようにに感じられます。

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4.ガバナーを使ってみる

 ホバリング練習をしていて、スロットルカーブとピッチカーブの設定がなかなか決まらないので、2007年3月下旬、ガバナーを試してみることにしました。

 ローター回転数を約2100RPMとしてホバリングしてみたところ、ガスカーブの時よりも安定してホバリングし、またピッチ操作による高度調節も容易になりました。ガバナーで回転数が一定になるとトルク変動も少なくなるので、テールも安定したように感じられます(特に離陸時と着陸時)。

 2008年6月、4〜6m/sの風のあるときの操縦性を高めるため、ローター回転数を2300RPMまで上げてみました。エルロン、エレベーターのレスポンスがよくなり、またテールも回転数が上がったためか以前よりも安定しているように感じられます。気になる消費電流ですが、低回転で高ピッチでの飛行よりも、高回転で低ピッチの方が高率はよいとも考えられ、それほど大きくないようです。

 ただ、ホバリングの練習だけなら、2000RPMぐらいが舵の効きがマイルドで練習しやすいと思います。

 なおX400 Tuningではローター回転数2400RPMを推奨しています。

 ガバナーとは、ピッチが変化してもローター回転数を一定に保つ機構です。電動ヘリでは、ガバナー機能を持つアンプ(エレクトリック・スピード・コントローラー=ESC)がモーターの回転数を検知し、低ピッチのときは低電流、ピッチが増加すれば電流値を自動的に増加させて一定の回転数を維持します。このため、スロットルスティックは実質的にはピッチ操作のみ行うこととなります(実物のヘリはほとんどがガバナー方式だそうです)。送信機のスロットルカーブは横一直線とし、モーターの起動・停止はスロットルホールドスイッチで行います。

・関連ページ:コントロニック・ジャズのガバナー設定

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5.X400/MX400のバージョン

 ネット上で調べたところ、ARKブランドのX400シリーズと、HeliMaxブランドのMX400シリーズは、以下のように対応しているようで、パーツにはかなりの程度まで互換性があります。なお下記のバージョンはすべてアルミフレームです(オプションでカーボンフレームもあります)。

X400

 初期バージョン。ノーマルスワッシュ。

X400v2=MX400

 X400のヘッド回りを改良したバージョン(シーソーが長くなっているなど)。ノーマルスワッシュと120度CCPMの2タイプがあり、CCPMコンバージョンキットも発売されています。オプションでアルミパーツがあります。なおMX400はこのX400v2のようです。

MX400 Pro

 X400v2のシーソー、スワッシュ、テールケースユニットなどをオプションのアルミ製にしたバージョン。ノーマルスワッッシュ。ほとんどのパーツがX400v2と互換性があり、CCPMコンバージョンキットもあります。なおHeliMaxやTower Hobbiesではノーマルスワッシュのことをmachanical 90 degree CCPM (mCCPM)、120度CCPMのことをelectronic 120 degree CCPM ( eCCPM)と呼んでいます(CCPM=Cyclic Collective Pitch Mixing)。

X450XS=MX450XS

 120度CCPM。フルオプション、ロングテール(カーボンパイプ)。パーツの多くがX400v2と互換性があります。

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6.MX400 Pro vs T-REX 450XL (HDE)

 MX400 ProとT-REX 450XL (HDE)はパーツ、メカニズムがよく似ています。大きく異なるのはMX400(Pro)が4ピースのアルミフレームを採用しているのに対し、T-REX 450XLは2ピースの樹脂製フレームを採用している点です。またローター径はT-REX 450XLの方がやや大きく、またメインシャフトからテール端までの長さもT-REX450XLの方が長くなっています。

 このように機体そのものはほとんど同じですが、ホバリングしてみるとだいぶフィーリングが異なります。筆者のようなヘリ初心者にはMX400 Pro の方がホバリングが安定して飛ばしやすく感じられます。これはひとつにはMX400 Proのスタビライザーが重く、安定性が高くなるからだそうです(MX400 Pro片側8g、T-Rex 450XL片側6g)。逆にT-REX 450XLは舵に敏感に反応して運動性がよいということになります。

 この点ではMX400 Pro は初心者向き、T-REX 450XLは中・上級者向きといえますが、T-REX 450XLでもスタビブレードを重くするか、スタビバーに重りを追加すれば安定性が増します。アラインからもオプションパーツとして片側約7〜9gのスタビブレードが数種類出ています。約9gのスタビブレード(HS1192)に交換したところ、MX400 Proとほぼ同じホバリング安定性を得ることができました。それでも、やはりMX400 Proの方が安定していて、操縦しやすいように感じます。

関連ページ:T-Rex 450XL(HDE)

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7.関連リンク

ARK JAPAN
 国内ではARK JAPAN(クイック) がX400v2、X450XSキットとパーツを発売しています。MX400 ProにはX400v2用パーツの大部分が使用できます。

Tower Hobbies
 MX400シリーズは販売終了ですが、パーツは引き続き販売しています。

Helimax: MX400 Pro
X400 Tuning
HeliTown: ARK/MX400

エアクラフト
 ハイペリオンのモーター、バッテリーを扱っています。

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last updated: 2009.11.15



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