fly with the wind


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osamu's rc flight

XK K110

XK K110

モデル名

XK K110

販売

ハイテック マルチプレックス ジャパン

操縦系統

エルロン、エレベーター、ラダー、ピッチ/モーターコントロール

メインローター径

245mm

機長

270mm

飛行重量

60g(実測)

動力ユニット

ブラシレスアウトランナーメインモーター
3.7V450mAh 20Cリポバッテリー

RC装置

3in1ユニット、フタバS-FHSS互換

目 次 

※このページのアンカーへのリンクです。

1. 概 要

2. T10Jの設定

3. スワッシュの水平出し

4. ピッチ測定と設定

5. ジャイロのキャリブレーション

6. テストホバ

7. フリップに挑戦

8. 体育館でフライト

9. 総合評価

10. 5年ぶりにホバ


1. 概 要

 シングル・ローター可変ピッチのマイクロヘリ。3軸ジャイロ搭載で、スタビレスです。メインモーターはブラシレス、テールモーターはブラシモーターです。スワッシュは超小型のロータリーサーボによってコントロールされます。

 本機の大きな特徴は、フタバS-FHSS方式のプロポが使えることです。筆者はプロポレスパッケージと、フタバT10Jプロポを購入しました(専用プロポ付属のRTFキットも販売されています)。

 プロポレスパッケージには完成機体、リポバッテリー1本、USB充電器(2本同時充電可能)、メインローター1セット、テールローター1枚、メインギア1枚、プラスドライバー、六角レンチが付属します。

XK K110製品紹介ページ(ハイテック マルチプレックス ジャパン)

2. T10Jの設定

 K110の取扱説明書にしたがってプロポを設定します。

(1) モデルセレクト、モデルタイプ、スワッシュタイプ、リバース

 モデルセレクトで、RX> S-FHSSに設定します。次にパラメーター機能で、モデルタイプ、スワッシュタイプを設定します。

TYPE> HELICOPTER
SWASH> H1

 リバース設定は、全チャンネルNOR(ノーマル)にします。10Jの初期設定ではTHR(チャンネル3)のみリバースになっているので、ノーマルに変更します。

(2) ノーマル/アイドルアップ/スロットルホールド切り替えスイッチ

 コンディション機能でノーマル/アイドルアップ/スロットルホールド切り替えスイッチを設定します。筆者はJRプロポを使ってきたので、右肩手前のスイッチGをノーマル/アイドルアップの切り替えに、左肩奥のスイッチFをスロットルホールドに使うことにしました。

IDLE-UP

1> OFF > SwG > DOWN
2> INH > SwE > DOWN
3> INH > SwF > DOWN

THR-HOLD

> OFF > SwF > DOWN

(3)D/R、EXP

 このクラスのマイクロヘリは舵が敏感ですので、EXP(エクスポネンシャル)はニュートラル付近の舵の効きが弱くなるように設定します。ノーマルとアイドルアップの2種を設定し、(2)で設定したスイッチGで切り替えるようにしました。当初はノーマルのD/Rを80%でホバしました。無風〜微風ですと、安定してホバできます。しかし、2〜4m/sの風の中では機体が流されるので、100%に増やしました。



1: エルロン
2: エレベーター
4: ラダー
NORMAL(UP)
D/R
100%
100%
100%

EXP
-40%
-40%
0%
IDLE-UP(DN)
D/R
100%
100%
100%

EXP
-40%
-40%
0%


SW> SwG
SW> SwG
SW> SwG

(4)スロットル・カーブ

 ノーマルのP-2〜P-5はアイドルアップと同じにしていますが、これは後述のピッチカーブも同じにして、ノーマル/アイドルアップを切り替えたときの高度変化(上下動)を避けるためです。

【ノーマル】

MIX> ---
CND> NOR (NOR)
P-5> 100.0%
P-4> 100.0%
P-3> 100.0%
P-2> 100.0%
P-1> 0.0%

【アイドルアップ】

MIX> ON
CND> ID1 (ID1)
P-5> 100.0%
P-4> 100.0%
P-3> 100.0%
P-2> 100.0%
P-1> 100.0%

(5)ピッチカーブ

 ノーマルでマイナス4°〜プラス14°、アイドルアップでマイナス14°〜プラス14°になるように、後述のサーボニュートラル調整を行ってから設定します。筆者の機体では以下の値になりましたが、これはサーボからスワッシュへのロッドの長さによって変わります。あくまで参考例としてご覧下さい。P-3がエンコンスティック50%の位置で、ここでピッチが0°になるように調整します。

 ノーマルとアイドルアップでは、スロットルカーブもピッチカーブもP-3からP-4を同じ値にしています。これは上述のようにノーマル/アイドルアップを切り替えたときの高度変化(上下動)を避けるためです。ただし、アイドルアップに切り替えた時の上下動に対処できるのであれば、ノーマルでホバしやすくするために、ホバ付近のピッチカーブをなだらかにし、スロットルカーブも調整するとよいと思います。

【ノーマル】

MIX> ---
CND> NOR (NOR)
P-5> +60%
P-4> +28%
P-3> + 6%
P-2> − 3%
P-1> −11%

【アイドルアップ】

MIX> ON
CND> ID1 (ID1)
P-5> +60%
P-4> +28%
P-3> + 6%
P-2> −20%
P-1> −46%

【スロットルホールド】

 このクラスのマイクロヘリではスロットルホールドでのオートローテーションはできないので、ピッチが0°になるようにしています。

MIX> ON
CND> HLD (HLD)
P-5> + 6%
P-4> + 6%
P-3> + 6%
P-2> + 6%
P-1> + 6%

(6) ジャイロセンス

 この設定がなかなかわからず、手間取りました。しばらく試行錯誤しましたが、XKラジコンヘリを飛ばしやすくするためのお勧め設定方法」を拝見して解決しました。以下の設定では、ノーマルで6Gモード、アイドルアップで3Dモードと連動させていますが、6G/3Dの切り替えを別のスイッチに設定することも可能です。

MIX> ON
CH > RUD UP > AVC100%
(CH5) CNT> -------
TYP> GY DWN> NOR100%
SW> SwG
(UP )

 以下の画像は、T10Jの「サーボ」(サーボモニター)画面で、ch5の6G/3D切り替え時の出力がグラフ化されています。他のフタバプロポを使用する場合は、この画像と同じになるようにジャイロ感度を設定すればよいと思います。

6Gモード
servo monitor

3Dモード
servo monitor

(7)タイマー

 3分のダウンカウントタイマーを設定し、エンコンスティックでオン・オフするようにしました。

3. スワッシュの水平出し

 

 本機のように、3つのサーボから直接、スワッシュプレートを制御する方式の場合、各サーボのニュートラルを正確にそろえる必要があります。筆者の購入した機体の場合は、スワッシュは水平になっていましたが、ピッチサーボ(右後方)のアームが数ミリ下がっていました。その分、スワッシュへのロッドを長くしてありました。これでは、ピッチ操作したときにスワッシュが微妙に傾くので、調整が必要です。

 まず、スワッシュからグリップへのロッド2本を外し、メインマストへの止めネジを外してローターヘッドを引き抜きます。次にサーボを上から押さえているプレートを外します(2本のネジを外します)。この状態でエレベーターサーボを外し、ドライバーでピッチサーボホーン止めネジを外し、エンコンスティック50%でサーボアームが水平になる位置にサーボホーンを付け替え、ネジ止めします。エレベーターサーボをもとの位置にもどし、樹脂プレートをネジ止めします。以下の写真は修正後で、3つのサーボのアームがほぼ水平になっています。

XK K110

 次にメインマストにスワッシュレベラーを取り付けます。本機のシャフトは2.5mm径ですので、以前に購入したT-Rex150用のスワッシュレベラーが使えそうです。早速、取り付けてみましたが、レベラーの外径が小さく、3本のロッドの上端に載りません。そこで0.8mmカーボンシートを3ヶ所貼り付けました。これで、ロッドに載るようになりました。上述のようにピッチサーボのロッドが長過ぎるので、数回転して短くし、レベラーとの隙間がなくなるようにしました。

swash leveler

XK K110

4. ピッチ測定と設定

 メインマストに少量のオイルを塗布し、スワッシュを上下させてなじませ、ヘッドを取り付け、ロッドを取り付けます。

 本機のようなマイクロヘリは、450用のデジタルピッチゲージでは重過ぎて使えません。そこで、メインブレードをグリップに対して90度の位置にし、ピッチ操作をしたときのブレード先端の上下の動作量を測定し、三角関数でピッチを求める方法を用いました。

 この方法で、ブレード先端が8mm動くと約4°、26mm動くと約14°となります。この値になるように、プロポのピッチカーブを設定しました(当初は11°にしていましたが、増やしました)。

参考ページ:マイクリヘリのピッチ測定

5. ジャイロのキャリブレーション

 念のため、ジャイロのキャリブレーションを行いました。取説に書かれている方法はちょっとわかりずらいので、RC-Groupsのスレッドの記事を参考にしました。

(1) ジャイロのキャリブレーション

 プロポをオンにし、次にヘリにバッテリーを接続します。機体の受信モジュールの初期化が終わってのLEDが点灯したら、ノーマル(6G)モードであることを確認します。下図のようにエンコン最スロー/エルロン右フルに、エレベーターフルアップ/ラダー左フルにして数秒間、その位置を維持します。LEDが高速点滅した後、点灯します。これで完了です。

stick position for gyro calibration


 なお、(1)を行っても6Gモードが安定しない場合には、以下の方法で6Gセンサーのキャリブレーションを行います。

(2) 6Gセンサーのキャリブレーション

 プロポをオンにし、次にヘリにバッテリーを接続します。機体の受信モジュールの初期化が終わってLEDが点灯したら、下図のようにエンコン最スロー/エルロン左フルに、エレベーターフルアップ/ラダー右フルにして数秒間、その位置を維持します。LEDが中速点滅を始めたらすぐにスティックをもどし、中速点滅している状態で30秒ほどホバします。着陸させ、再び下図のようにエンコン最スロー/エルロン左フルに、エレベーターフルアップ/ラダー右フルにして数秒間、その位置を維持します。LEDが点灯に変われば完了です。

stick position for 6g calibration


※上記の方法はスティック操作が取説と異りますが、筆者の機体は、この方法でLEDが中速点滅しました。

6. テストホバ

 2016年1月下旬の早朝、風のない時間帯に、近所の児童公園でテストホバを試みました。

 まず、6Gモードでのホバです。このサイズにしては非常に安定していて、離着陸も容易です。テールの抑えも問題ありません。短くエレベーターやエルロンを打つと、「カク、カク」という感じで水平に復帰します。

 次に、一時的にアイドルアップのスロットルカーブを0-100-100-100-100にし、3Dモードで離陸し、ホバしてみました。ホバの安定性は6Gモードとさほど変わりませんが、短い舵を打つと、その方向に進んでいきます。たとえば、瞬間的に小さくエレベーターダウンを打つと、ヘリはわずかに前傾して、前進を開始します。6Gモードに比べると当て舵が必要ですが、不安定に感じられるほどではありません。

 3分ホバした直後のバッテリー電圧は3.8V台でした。ホバだけなら4分ぐらいは可能と思いますが、このヘリには低電圧警告/カット機能がないので、余裕を見て着陸させた方が安全です。

 次回は広い場所で上空飛行やフリップを試みてみたいと思います。なかなか性能のよいマイクロヘリのようです。

7. フリップに挑戦

 2016年1月下旬、河川敷でフライトしました。2〜4m/sの風があり、土手の中段で飛ばしているため、横風状態です。6Gモードが安定しないようなので、上述の6Gセンサーのキャリブレーションを行ったところ、安定性がやや良好になった感じです。

 3フライト目にはバックフリップを試してみました。minokasagoさんに動画を撮影していただきました。テールが取られることなく安定しているのは立派です。フリップの止めが決らないのは、筆者の腕のせいで、まだまだ適切なピッチ操作ができていません。機体そのものは、この風の中でもフライトできる充分なポテンシャルを持っていると思います。次回は風の弱い時に背面ホバに挑戦です。

8. 体育館でフライト

 2016年2月上旬、バスケットコートが2面とれる体育館でフライトしてみました。

 1フライト目はノーマル/6Gモード。高度4〜5mで左右にゆっくり前進させ、いったん止めてラダーで旋回させます。体育館内にもゆるやかな空気の流れがあり、完全な静気流ではありませんが、安定してフライトします。

 2フライト目、3フライト目はアイドルアップ/3Dモードでフリップしてみました。どうも±11°では背面時のマイナスピッチが足りないようです。

 4フライト目はピッチを±14°に増やしてフリップしてみました。今度は背面時の落ち込みがなく、タイトにバックフリップできました。

9. 総合評価

 これまで、マイクロ可変ピッチヘリはいくつか飛ばしてきましたが、その中では抜群の性能と思います。これに匹敵するのはWalkera V120D02Sと調子のいいときのBlade 130Xぐらいです。Walkera Mini-CP、Genius CP、Blade nano CP-X、mCPX、mCPX BL、Align T-Rex 150 DFCは、みな神経質なところがありましたが、本機は3Dモードでも非常に安定しています。

フタバのS-FHSS対応プロポが使用できるのも大きなメリットです。

 固定ピッチマイクロヘリの次のステップとしてお薦めできます。6Gモードなら、箱出しでも安定してホバすると思いますが、念のためピッチのチェックはした方がよいと思います。

10. 5年ぶりにホバ

2021年6月、5年ぶりにリビングでホバしました。最初、ピッチコントロールが難しく、手こずりました。考えてみるに、5年間、手入れをしなかったためにスワッシュまわりの動きが硬くなっていたのでは、と思い、モーターの接続を外して、スワッシュを数回上下させ、舵を打って各部を動かしてみました。

 また、Blade Nano CPXにならって、スワッシュまわりのボールリンクにダンパー(シリコンOリング)を取り付けてみました。取り付けたのは、サーボからスワッシュへのリンク3箇所、スワッシュからブレードグリップへのリンク4箇所、計7箇所です。

Nano CPXには、www.oringsandmore.com から購入した 001 Silicone 70 Orings を装着しましたが、K110には002を装着しました。このOリングは内径 3/64"(約1.2mm)、外径 9/64(約3.6mm)です。

Silicone O-rings Size 002 Minimum 100 pcs

XK K110

ホバしてみると、細かいピッチ操作に正確に反応し、エルロン、エレベーターもカッチリした感じになりましたが、気のせいかもしれません。

 K110は現在も販売中で、ロングセラーになったようです。

XK K110 and Futaba T10J

last updated 2021.06.09
2016


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