fly with the wind


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osamu's rc flight

ハミングバード・エリートCP
Hummingbird Elite CP

Humminbird Elite CP

モデル名

Hummingbird Elite CP
(マイクロヘリコプター)

販売会社

Century Helicopter Products
(高島平模型)

操縦系統

エルロン、エレベーター、
ラダー、モーターコントロール

ローター径(mm)

520

機  長(mm)

485

飛行重量 (g)

290〜304
(ボディなし)

動力ユニット

Century CNE056A(メインモーター)
Century CNE019(テールモーター)

RC装置 GWS R-6N II/H受信器
Century CN2033サーボ*3
Century CN2022Eジャイロ
Century CNE052ミキサーコントロールボード(Hummingboard)
バッテリー
8.4V 600mAh Ni-MH
7.4V 730 mAh リチウムポリマー Kokam Hornet 730
7.4V 900mAh リチウムポリマー Thunder Power 900
7.4V 1320mAh リチウムポリマーThunder Power 1320

 以下にこの機体を飛ばす場合のポイントをまとめてみました。もしベテランの方がお読みになって心得違いなどありましたらご教示下さい。

1.0. 固定ピッチでホバリングに挑戦

 キットは可変ピッチ(120度CCPM)仕様ですが、ヘリ初心者の筆者はピッチカーブを水平に設定し、固定ピッチ用ブレードを取り付けて実質固定ピッチとし、室内でホバリングの練習をし、購入後約1ヶ月でなんとかホバリングできるようになりました(やはりXRBラマより難しいです)。

1.1. 舵角

 最初、室内でホバリングするには舵が効きすぎると危険と思い、デュアルレートを60〜70%にしてホバリングに挑戦しましたが、どうもうまくコントロールできません。機体を手で持ってローターを回転させ、スティックを操作してみると、あまり効いている感じがしません。そこで思い切ってデュアルレートを100%にしてみたところ、効きがよくなりました。現在はエルロン、エレベーターのデュアルレートは110%、ラダーは100%、さらに3舵ともエクスポネンシャルを−30%としてニュートラル付近の舵の効きを強くしています(送信機はJRのPCM9X)。これでやっと半径1メートル円内、メインローター高度50〜80cmでホバリングできるようになりました。

1.2. スラント(傾斜)

 スロットルをゆっくり上げていくと、浮上する前に機体が床上を左にすべっていきます。ネットでいろいろ調べたところ、左スキッドを高くするとよい、という記事を見つけたので、左スキッドの下に5mm角のバルサ棒を取り付けてみました。こうすると離陸時に左へすべることが少なくなります。慣れてくれば適切に右舵を当てながら一気にホバリング高度に持っていくことができるようになります。

1.3. バッテリー

 キットには600mAhのニッケル水素電池が付属していますが、2セルのリチウムポリマーバッテリーを使ってみました。

・Kokam Hornet730mAh(20Cタイプ、コネクタ込み48g):ローターが床から50〜80cmの高さで7〜8分間ホバリングできます。

・Thunder Power 900mAh(連続10Cタイプ、コネクタ込み46g):回転音の感じではHornet730mAhよりもややパワーは弱い(電圧が低い)感じです。Hornet730よりも内部抵抗が高いのでしょう。ローターが床から50cmの高さで10分間ホバリングできます。

・Thunder Power1320mAh(連続10〜12Cタイプ、コネクタ込み62g):12~13分ほど回りますが、重量が増えるためか、あるいは内部抵抗が高いためか、ゆるやかにパワーが落ちてきて、最後の2〜3分はスキッドが床から15〜25cmぐらいの高さでしかホバリングできません。地面効果でなんとか浮いている感じです。練習にはなりますが、ちょっと物足りないです。結局、元気よく飛ばせる時間は900mAhとあまり変わらないので、高容量の意味がありません。


 揚力(浮力)を全面的に動力に依存しているヘリコプターの場合は出力重量比がシビアなのでしょう。バッテリーの選択は容量よりも重量を優先し、できるだけ大電流が流せる(内部抵抗が低いこと)タイプを選んだ方がよいようです。

 ただ、バッテリーのエネルギーを効率的に推力に変換するには、後述のギアのバックラッシュや回転する部分のなめらかさが大きく影響します。特に振動が出たり、ギア音がうるさいのはどこかに抵抗やロスがあり、結果的にバッテリーの持ちが悪く感じられることになります。パワーが足りなかったり飛行時間が短いと、つい高電圧化やブラシレス化を考えてしまいますが、その前に現状でどこまで効率を上げられるか、細部を点検し調整してみると意外と効果があります。

1.4. ブレード

 固定ピッチでホバリングする場合、キット付属の半対称翼型の木製フィルム貼りブレードでは十分なパワーが出ない感じなので、ブレードを換えてみました。まず最初に京商EPキャリバー用の白色樹脂製ブレードを使ってみましたが、重いせいか翼型のせいか、あまり浮きません。次にユニオンEPチャンピオン用の樹脂製ブレードを使ってみました。こちらはカンバーの強い翼型なので浮きはだいぶよくなりました。

 次にカーボン製のブレード、MAH-FP(上掲写真、スターフライトジャパン扱い)にしてみたところ、浮き、操縦性ともに飛躍的に改善され、ホバリングが安定するようになりました。やはり高剛性で正確に翼型が再現され、重量バランスも取られているだけのことはあると思います。価格は1組8,000円と樹脂製に比べると高価ですが、購入してよかったと思っています。機体が安定し、舵の反応もよくなるので、筆者のような初心者にこそ必要と思います。

 なお、このブレードは固定ピッチのハミングバードやピッコロ用なので、取り付け穴が約5mmとなっています。そのままでは取り付け穴が2mmのElite CPには取り付けられません。筆者は手持ちのリンケージ用樹脂パイプ2種類を組み合わせてはめ込み、2mm径にして取り付けました。また取り付け部の厚みは1mm厚のアクリルワッシャを2枚付けて調整しています。

1.5. モーター

 メインモーター、テールモーターともに最初に無負荷、2.4Vで15分慣らしをし、またその後も軸受けに注油し慣らしを1回行いました。それでも22日目、延べ飛行時間9時間でメインモーターの前部軸受けがガタガタになり、交換しました。ローターを何度も家具にぶつけているので、軸受けにも衝撃を与え、寿命を短くしたのかも知れません。テールモーターはまだ使えそうでしたが、ついでに交換しました。またこの機会にメイン、テールともにヒートシンクを取り付けました。これはかなり放熱効果があり、モーター寿命も延びそうです。

 いろいろ掲示板を見ていると、ギアのバックラッシュが適切でないとパワーが出ない、という記事がありました。試しにピニオンとメインギアの間に紙をはさんで回してみたところ、ちょっときつい感じです。そこでアルミシャーシのモーター取り付け穴とネジ穴3カ所を棒ヤスリで少し広げてモーターを付け直してみました。バックラッシュは0.2〜0.4mmぐらい大きくなったようですが、飛行してみると明らかに回転音が変わり、パワーが出てきたような感じがします。

 またモーターベアリングへの注油も重要です。筆者は手持ちの鉄道模型用オイル(メルクリン7199)を一滴ずつ前後のベアリングに注油していますが、注油しない場合に比べてかなりパワーアップする感じです。もしどうもパワーが足りない、あるいはモーターがすぐにヘタる、という場合は、ギアのバックラッシュを調節し、モーターの前後ベアリングに注油してみるとよいかもしれません。

1.6. スワッシュ・プレートとヘッドブロック

 これまた掲示板で、スワッシュプレートをオプションの金属製のもの(CNE259)に換えると操縦性がよくなるという記事を見たので交換してみました。ついでにヘッドブロック(センターハブ)も金属製のもの(CNE251)に換えてみました。その結果、重量は6g増加しましたが、舵の効きがよくなり、舵を打ったときに不規則にふらふらすることがほとんどなくなりました。また振動が少なくなり、ヘッドの回転が安定して見えるようになりました。回転音も不規則な音がせず、非常になめらかです。おそらくヘッドブロックとスワッシュプレートの剛性と精度が高くなったためと思われます。その結果、以前よりもホバリングが安定するようになり、パワーにも余裕がでてきた感じです。

 なお標準装備のスワッシュプレートは上部樹脂パーツがベアリングに圧入されているだけなので、衝撃を与えると外れたり、ゆるんでくることがあります。この場合は上部パーツとベアリング内側をシンナーでよく脱脂した後、上部パーツのベアリングにはまる部分に中粘度の瞬間接着剤を一滴たらしてすぐにベアリングにはめ込んで接着します。このとき瞬間接着剤がベアリング内部に入らないように注意します。

1.7. ボールリンク

 ヘリのヘッド回りは複雑にリンクされていますが、この各部の抵抗が大きいと、いわゆる「舵が残る」現象が強くなり、コントロールしにくくなります。特に9gクラスのサーボはニュートラル付近のトルクがあまり強くないので、スティックをニュートラルにもどしてもリンクが渋いとニュートラルに戻しきれないのです。そうなると当て舵を頻繁に打つ必要が生じ、さらに当て舵の当て舵も必要になるため機体が安定しません。

 そこで上述の鉄道模型用オイルをボールリンク、ベアリング、そしてサーボホーンのロッド回りに注油してみたところ、それまでよりもずっと舵の効きが素直になり、その結果、ホバリングの安定性が向上しました。

 もちろんリンクのはめ合わせがゆるすぎてガタが出るようだとそれはそれでコントロールしにくくなります。まずガタが出ないようにピッタリに調整し、手で回してなめらかに動くようにしてから注油しオイルをなじませるとよいようです。

 なお注油する場合は、そのオイルが受け側の樹脂を溶かさないことが条件です


■関連リンク

・高島平模型
 センチュリー・ヘリコプター(アメリカ)の国内正規代理店。補修パーツ、アップグレード・パーツも販売しています。なお以前に「ハミングバード」という電動ヘリが国内で販売されていたそうで、このショップではセンチュリーのハミングバード・シリーズを「マイクロヘリコプター」という名称で紹介しています。

・スターフライト・ジャパン
 各種カーボンローターを販売しています。テールローター、可変ピッチ用の半対称、対称のカーボンブレードも扱っています。

・Century Helicopter Products
 ハミングバード・シリーズの開発・販売元(アメリカ)です。

・RC Groups Discussion: Micro Heli
 マイクロ電動RCヘリの掲示板(英文)です。非常に参考になります。最近はT-Rexの話題がよくでてきます。

・RC Groups Discussion: Batteries and Chargers
 RC電動模型用バッテリーと充電器に関する掲示板(英文)です。リポの充電や保管に関する話題がよくでてきます。

last updated: 2009.11.15


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