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osamu's rc flight

ゴライアス
Goliath

Goliath

モデル名

Goliath

製造会社

Sylvan Aircraft

操縦系統

エレボン
モーターコントロール

翼幅(mm)

406

翼面積(dm2)

5.5

飛行重量 (g)

110
(Twenty 2S400リポバッテリー搭載時)

翼型
半対称
動力ユニット

GWS EDP-50XCモーター
GWS 3×3プロペラ
Castle Creation Pixie 7P スピードコントローラー
Poly Quest Twenty 2S400、ThundrPower 2S730リポバッテリー

RC装置 Castle Creations Berg Microstamp 4L受信器(72MHz)
Model Craft 333サーボ(5.4g)×2(エレボン)

Goliath

 EPP(発泡ポリプロピレン)のコアに荷造り用カラーテープを貼って作るキットです。アメリカ的な割り切りと実用性重視のデザインで、ていねいに作ったバルサ・フィルム貼りの機体やグラス・シャーレの機体に比べるとちょっと安直な感じがします。しかし軽量に仕上がるので飛行性能は良好で、柔軟性があるため激しく墜落させてもほとんど壊れません(表面にしわがよるぐらいです)。飛ばして楽しむ機体としてはまったく問題ありません。

 適度なスピードがあるため、パークフライヤーやスローフライヤーが風に負けて飛ばせないような3〜4m/sの風でも安定して飛行するのには驚きました。重心位置とエレボン・ニュートラルの設定には手間取りましたが、いったん調整が決まれば非常に安定して飛び、また操縦性も良好です。とても110gの機体とは思えない飛びっぷりです。

・製作上の注意点

・サーボ、受信器は埋め込みます。アンテナも主翼にナイフで切れ目を入れて埋め込みます。機体が小さいので標準サイズ(90cm)のアンテナの場合は2〜3回折り返す必要がありますが、問題はありません。最初、BlueArrowの5ch受信器を搭載しましたが、サーボにガチャつきがでるのでBerg 4に交換したところ、問題なく動作するようになりました。

・スピードコントローラーは表面に出すか、半埋め込みにして、飛行中に気流で冷却されるようにした方がよいようです。当初はPixie 7Pを内蔵しましたが、連続飛行するとパワーダウンするので、機体表面に出したところ、パワーダウンがなくなりました。またモーターにはヒートシンクを付けました。

・EPPにはエポキシ接着剤、瞬間接着剤が使えます。また瞬間用硬化促進剤(アクセラレーター、キッカー)も併用できます。ただし、アイロン・オン・フィルムやグラステープ、カラーテープはすぐにはがれてしまいます。スプレー糊3M77を吹き付けて15〜20分放置して溶剤を蒸発させてから貼り付けます。

・バッテリーはマジックテープ止めがよいでしょう。重心位置の微調整ができますし、クラッシュ時には外れてダメージを回避できます。機体下面に取り付けると見栄えはよいですが、着陸時にバッテリーが汚れるので、筆者は上面に取り付けています。ただしキット付属のカラーテープの表面には瞬間が効きません。バッテリー固定用のマジックテープはセメダインスーパーX2で貼り付けました(マジックテープの取り外しに耐えるだけの接着力はありますが、ちょっと強く引っ張ればはがれます)。合成ゴム系接着剤がよいかもしれません。

・キット付属のピアノ線のプッシュロッドは押したときにたわみそうなので、手持ちのカーボンロッドにシュリンクチューブでピアノ線を取り付けたロッドを作りました。このロッドですと押したときにもたわまず、正確なコントロールができます。

・調整

・重心位置は機首から97〜100mmがよいようです。またエレボンのアップトリムが微妙で、数回手投げして、水平に滑空するように調整します。エレベーターが敏感になり過ぎない範囲で、重心位置はなるべく下げ、エレボンのアップトリムが少なくて済む状態にします。前重心でアップトリムが過大ですと抵抗が増え、上昇性能が悪くなります。

・この機体では、エルロンの舵角は上下を等しくし、差動(デファレンシャル)は付けません。

・エレボンは最初は翼端側で上下3〜4mm、送信機側でエクスポを50〜60%かけました(ニュートラル付近の効きを弱くします)。現在はフルエルロンでロールするようにエレボンを上下5mmとし、エクスポを70%としています。

※カンバーが大きいスローフライヤータイプの無尾翼機(カーボン・ファルコン、ミニ・スピードウィングEXなど)では2:1の差動をつけ、エルロンの跳ね上げを大きくしますが、翼型がほぼ対称でカンバーが小さい場合は差動は付けない方がよいようです。

・飛行

・アメリカではパワーオフで手投げしてからパワーオンにするようですが、筆者は左翼前縁を左手で持ち、モーターオンにしてからフリスビーを投げるような感じで風に向けて投げています。このとき、機体を水平にリリースし適度な初速を与えるとよいのですが、なかなかうまくいきません。向かい風が2〜3m/sあれば問題ありませんが、風が弱いと失速して、クルッと背面に入ったりします。

・縦横比が小さいこともあって、滑空性能はよくありません。重心位置の設定にもよるのでしょうが、筆者の機体はパワーオフにするとフラフラして不安定になります。着陸時はモーターをスローにしますが、接地直前までオフにしないで適度な速度を維持した方がよいようです。

・プロペラ付近の改造

 RC-Groupsの掲示板に、プロペラの前方の部分の翼後縁をカットするとプロペラノイズ(風切り音)が小さくなるというスレッドがあったので、改造してみました(まずミニ・スピードウィング-250の製作時にこの改造を行った結果、非常に静かに飛ぶので、フレンジーとゴライアスも改造しました)。

Goliath mod.

 後縁からの気流が乱流となってプロペラに到達するとノイズが発生するらしく、このようにカットするとプロペラに到達する気流が多少はなめらかになるようです。

 飛行させてみると確かにプロペラは静かになりましたが、驚いたことに安定性と低速性能が大幅に改善されました。これまでは一定の速度を維持しないと不安定になりましたが、この改造後は以前よりも低速で安定して飛ぶようになりました。プロペラに到達する気流がなめらかになったためにプロペラ効率が向上し、推力が増加すると同時に、プロペラ付近の後縁に発生する乱流が小さくなって抵抗が減少したのではないかと推測しています。


・メーカーのページ:Sylvan Aircraft

・関連ページ:EPP無尾翼機の製作とカバーリング

last updated: 2009.11.16



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